【2023年】VRChatの次の進化と注目すべき技術

2023年01月02日
 
2023年01月02日

みなさんこんにちは。ゆーろんです。

2023年最初の記事ということで、今回は2023年にVRchatでの表現をさらに広げる新しい技術とVRC世界を創るために使われているテクノロジをいくつか紹介します。
個人的には、私自身(ゆーろん)が元々、VRChat用のワールドを開発していたということもあり、一昨年(2021年)と比較してVRChatで表現できることの幅が何段階も増えていることを確信できました。

またVRC内の個人開発者などからも話を聞いてきたので、その辺も少し織り交ぜながらVRChatの将来的なビジョンに関しても触れていこうと思います。

VRChatでワールドを構築するための技術

VRChatでクオリティの良いワールドを作るためには、ゲーム系(Unityやシェーダ、3DCG、グラフィックなど)の知識や実装経験があるとスムーズにできるでしょう。もちろん、そういった知識がほとんどなくても現在、豊富にネット上にワールドを制作するための情報が転がっているので、それらを組み合わせることで個人の思い描くワールドを大まかには作ることができます。

具体的にワールドを作るためには、「Unity」「VRChat SDK」「コンテンツデータ(3Dモデルデータや音声、画像データなど)」が必要です。また複雑なギミック(ゲーム系のシステム)を作るにはUnityC#やUdonSharpに関する知識があると実装可能です。

UdonSharpとは

UdonSharp(U#)はMerlin氏が開発したオープンソースソフトウェアで、C#に似たコードをUdon Assemblyにコンパイルすることができるものです。
通常のUdon(VRChat上でギミックを作るための仕組み)はノードベースでプログラミングする必要がありますが、U#を用いることでC#でUdonを書くことが可能になります。ただ標準のUnity C#と異なりさまざまな制限事項があるためUnity C#のコードをそのままストレートに書くことはできません。

参考記事(外部リンク)


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シン・U# 入門 ② - ハツェの真時代傾向璋

こんばんは。ハツェです。 今回も、Udonをスクリプトで制作するための記事を書いていき

VCCとOSC

VCCとは

VCC(VRChat Creator Companion)はVRChatの開発サポートソフトウェア(ツール総導入bundlerに近い)であり、2022年秋から導入されました。

このツールが登場するまではUnityのバージョン変更やSDKのバージョン更新に開発者やクリエイタそれぞれ変更内容を調べて対応する必要がありました。VCCの登場により、アバターとワールドの開発が楽になったと言えます。これからVRChat向けのワールドやアバターの設定をする場合はこのVCCが必須となります。

OSCとは

OSC(Open Sound Control)は元々は電子楽器や音響機器をリアルタイム制御するための通信プロトコルとして開発されましたが、私が知る限り、メディアアート系(touchDesignerなどを用いた)のグラフィックと音楽の同期表現処理でも使用されています。

VRChatではこれを用いて外部のソフトウェアから自分のアバターを制御したり、自分のアバターの状態を外部のソフトウェアで取得することが可能です。これの導入によりアバターと現実のデバイスやソフトウェアを連携して表現できることが増えました。

参考記事(外部リンク)


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VRChat SDK 入門 (5) - OSCの概要|npaka

「VRChat」の「OSC」の概要をまとめてみました。 次回  1. OSC 「OSC」(OpenSound Control)は、電子楽器やコンピュータなどの機器において、データをネットワーク経由でリアルタイムに共有するた


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[TouchDesigner] OSC通信を使う。CHOPとDAT - Qiita

OSC通信とはOpen Sound Controlと呼ばれる通信プロトコルです。主に外部アプリケーションやデバイスとの信号のやりとりに使用されます。通信基盤にTCP/IPまたはUDP、UDT…

2023年注目のUdon2

Udon2は2023年中に公開予定の現在の「Udon」の上位互換です。Udon2によりワールド開発がさらに発展します。現在通常の「Udon」は外部APIが直接叩けません。そのため現在のワールド開発者は外部との情報やり取りは動画データを用いて力業で対処しています。(詳しくは参考記事にて)

Udon2では以下のようなことが実現されます。(一部)

  1. RestAPIを叩けるようになる(JSONデータの取得対応)
  2. ローカルストレージにワールド内でのメディアデータ(ギミックで撮った写真など)を保存できるようになる
  3. Udonの高速化(Udon Assemblyで動いているプログラムがWeb Assemblyになるため)

これらの機能により、外部サーバにワールドで扱いたいデータを保存することができるため、ゲームワールドの開発がさらに発展することが予想できます。これは2021年からVRchatのワールド開発者がずっと待ち望んでいました。

参考記事(外部リンク)


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【VRCAdvent Calendar】VRChatへ外部から文字列を渡すよ(C# only)

VRCAdvent Calendar 用の記事です。

まとめ

昨年「VRChatはいつ終わってもおかしくない(∵M&Aしにくい状況&VRChatの買い手が見つからない場合)」という話を某Web系企業の創業者の方から聞いていたこと、そしてUdon2の機能の導入告知が2021年末であり1年間導入されていなかったことがあったのでVRchatの経営を心配していましたが、VRChatはまだ発展/維持されることが技術面から確信できました。

ここまでご覧くださり、ありがとうございました。

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