日本中心のメタバース Cluster に行ってみた!

2022年12月08日
 
2022年12月08日

先日、初めてVRSNSの1つである Cluster に行ってきました。

存在自体は2020年ごろから知っていたのですが、当時は参入者が少ないこととまだ機能や文化が十分ではなく発展途上だったこともあり、様子を見ていました。

今年になってユーザがかなり増えたと聞いたので、Clusterの文化・風土の確認と調査も含めて参入してみた次第です。VRChatを含む他のメタバースとの違いや特徴もまとめたいと思います。

Clusterとは

「Cluster」は VRChatと同じく、大人数でアバターを使いコミュニケーションできるソーシャルVRと呼ばれるジャンルのサービスです。

他のメタバースの違いはモバイル(IOS/Android)端末によるアクセスがサポートされていることです。これによりPCやVR機器を持っていなくてもワールドに入り、コミュニケーションをとったりイベント(後述)に参加することができます。

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アバターデータは数年前と異なりUnityを通したアップロードではなく、WEBサイト上でアバターデータをアップロードして利用する方式となっています。

またアバターデータは一般的な「fbx」ではなく、株式会社ドワンゴが中心となって開発された「vrm」となっています。
運営元の企業が日本の法人であることも特徴の1つです。

Clusterの特徴

そんなClusterですが、Clusterはイベント特化型のプラットフォームと言えます。
どういうことかというと、Clusterのコンセプトとして「バーチャルイベント会場やバーチャル空間上での会議、音楽ライブ向けへの利用」を想定したアーキテクチャとなっているためです。

画像は先日Cluster上で音楽活動をされている方である「フォックスレイア(@Foxrayer)」さんのライブに行ったときの様子です。

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Clusterではイベント企画者を中心にワールドのコンセプトや場の雰囲気を用意し、ワールド参加ユーザに提供することができます。こういったことはVRChatやNeos VRなどでは難しいです。

そのためただ単に集客するのではなく、コンセプトに沿ってユーザを集め、場を提供できることは非常に大きいです。
Clusterはそういう意味ではClusterは「VRSNS版のYoutube」としてのポテンシャルも持っていると考えています。

VRChatを含む他のメタバースは「開発勢やクリエイタ勢」が中心となって文化や世界観を提供する必要がありましたが、Clusterではそういった人たちだけではなく、ユーザ自身がコンテンツ配信者(イベント企画者)として振る舞えるのが、他のVRSNSと一線を画す魅力となっていると言えます。

Clusterユーザや文化に関して

Clusterのユーザ層や文化をVRChat, Neos VR, Clusterの3つのメタバースを体験してきた身として、比較しながら述べたいと思います。

Clusterでは他の2つのプラットフォームと違って「ライトなユーザ」が多い気がしました。
ライトなユーザ とは「幅広いベクトルをもったユーザ」を指します。

VRChatでは「アニメ・アート・キャラクタ・ゲーム・動画などのサブカルチャに付随するWebコンテンツやゲーム・WEB系技術が好きなユーザ」である ヘビーユーザ が非常に多いですが、Clusterでは 「音楽家や僧侶、アーティスト、絵師、Vtuber、ラジオ話者、司会者など 様々な分野で活躍している人 」が中心となって文化を盛り上げているように思えました。
また、ボイスチャットだけではなくテキストチャットもサポートされているので気兼ねなくコミュニケーションが可能です。テキストチャットのインターフェスも非常に操作しやすいです。

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他のメタバースプラットフォームとの比較

前述したVRChat、Cluster、Neos VRを大雑把に比較してみます。

名称 人数 規模 ユーザ層 盛り上げ役 接続デバイス
VRChat グローバル ヘビーユーザ クリエイタ/開発者 PC/VR機器
Cluster 日本中心 ライトユーザ イベント企画者 PC/VR機器/モバイル
NeosVR グローバル VRユーザ 開発者 PC/VR機器

またVRChatとClusterでのユーザへの価値提供のヒエラルキーをまとめると以下のような感じです。

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メタバースの可能性と個人的な考え

メタバースは通常のSNSであるTwitter, Facebook, Mixiなどでは提供できなかった新しい価値を提供できるのは明白です。ただより多くの人に普及するには、ユーザビリティに考慮した環境やコミュニティ文化の構築、VR機器の廉価化や軽量化、ARの普及など課題は山積みです。

また今回Clusterを訪れて思ったのは、ビジネスや新体験の提供としての伸びしろはClusterの方があるのかもしれないと感じたことです。
個人的にはVRChatの「ワールドを用意してそこに人を集め、ユーザ各々が探索して体験や世界を提供する」という現状には限界を感じていました。
それを解決するためのプラットフォームになりえるポテンシャルをClusterは秘めていると思います。ただ表現の幅や、できること、総ユーザ数はVRChatの方が圧倒的に多いです。(そのぶんワールドデータやアバターデータは重い)

ここまでご覧くださり、ありがとうございました。

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