最新ネットワークアーキテクチャのCCN(ICN)とは

2022年12月10日
 
2023年04月02日

みなさんこんにちは。ゆーろんです。
今回は私が大学で研究した内容でもあるCCN(Content Centric Network)に関して解説します。

CCNとは

CCNとは、コンテンツ指向ネットワーク(情報指向ネットワーク)と呼ばれる新しい通信のアーキテクチャです。ロケーション型であるIP通信と異なり、CCNはコンテンツ(データ)に重きを置いたネットワークです。

reverseProxy

CCNの特徴

CCNでは、クライアント側のデータの要求にはコンテンツ名でアクセスするため、IPアドレスやポート番号等の情報が不要です。また、コンテンツはサーバからの転送時にCCNネットワークのノード(ルータ)上にキャッシュできるため、クライアントが同じデータを要求した場合ノード上にキャッシュがあればサーバまで行くことなくノード上でデータを取得できます。そのため、通信資源の節約が期待されています。

また、通常のIPネットワークより高速で安定した通信ができるため、今のWEB通信のメイントラフィックコンテンツである画像や音声動画などの大容量データを扱う通信に向いていると考えられます。
現在、CCNは米国のFIAや欧州FP7を中心に世界中で研究されています。

CCNで何が変わるか

CCNでは、大容量データの通信が得意と言えます。そのため、実用化されれば今よりも高速なインターネットが可能であると見積もられています。

現在、5Gの普及やIoTなどにより通信トラフィック量が増大しています。そのため、IPネットワークではネットワーク資源に対する負荷がノードあたりに大きくなっていると言えます。

reverseProxy

CCNの将来

CCNには今の通信アーキテクチャを一新し、更なる高速化が可能な通信環境を構築できる可能性があります。
また、この30~40年でIPネットワークを中心としたシステムが世界中で構築され、WEBやITの発展に寄与した歴史的背景があります、これらのことから、今現在のIPネットワークすべてを一新するにはモノリシックなシステムとなってしまったのです。

これはすぐにネットワークを完全にCCNに置き換えられないことを意味します。現在のシステムが維持できている状態であることや、CCNへの移行にはコストの問題があるためです。
そのため、現実的な実用化の方法として、IPネットワークとCCNネットワークを組み合わせた通信アーキテクチャを想定して、実用化のための研究が進んでいます。実用化までにはまだ十年単位で時間がかかると思われますが、今世紀後半くらいには一部でも実用化されることを期待しています。
ここまでご覧くださり、ありがとうございました。

よろしければシェアしてくださいね!
タグ:

関連記事